- 2022-08-08
ユーザー参加型施策調査
アンケートやコンテストなど、ユーザーの選択や投稿などがゲーム内外の要素に反映される事例が増えている。今回の特集ではそういったものも含め、上位タイトルのユーザー参加型施策を調査した。
本特集の概要
近年では、スマートフォンゲーム黎明期と比べて実に様々なイベントが企画・実施されるようになった。
中でも重要度が高まっていると思われるのが、各種メディアを介して「運営とユーザーが一緒にゲームを作る」ことを目指した取り組みである。代表的なものは、アンケートや各種コンテストなどだ。
それらを通じて「自分の声が運営にちゃんと届いている」「自分のアイデアが採用されて嬉しい」などと感じてもらうことは、ユーザーのゲームに対する愛着を高め、ひいてはロイヤルユーザー化などにもつながるだろう。
そこで今回は、上位タイトルが2020年1月〜2022年6月(直近およそ2〜3年以内)に実施した「ユーザー参加型の施策」を調査した。
なお原則として「ユーザーが何かしらのアクションを取ることで、ゲーム内外の要素に影響を与えたり、ゲームの活性化や宣伝につながったりすると思われるもの」を対象とした。

▲2022年5月度レポートの「事前登録特集」で紹介した「まおりゅう」のゲームアイコン人気投票。この施策はユーザー参加型であり、ゲームに大きな影響を与えたものである。
調査概要
本特集の調査概要は下記の通り。

施策の分類
本特集では、調査対象が実施していた施策を下表のように区分した。以降は下記の区分およびタイトル別に施策を紹介していく。

画像出典:Twitter
アンケート・意見募集
IdentityV【第五人格座談会】

「Google フォーム」にてユーザーからテーマに沿った意見・質問を募集し、公式サイトを含む、「お知らせ」にてQ&A形式で回答を掲載する「第五人格座談会」を2021年10月から実施している。
主なテーマは下記の通りで、回ごとに扱う内容が異なる。Q&Aの数もランダムで、おおむね2〜10個前後を確認できたが、7個前後の回が比較的多かった。
・システム(ゲームの機能・仕様について)
・バランス(ゲームプレイについて)
・設定(世界観について)
・スケジュール(要素の実装日について)
本作は対戦がメインのアクションゲームであるため、ユーザーはキャラの性能差や不具合などにとても敏感だ。運営とのこうした定期的なやりとりがあることは、ゲームを遊ぶうえでの安心感につながっていると思われる。
また本作は世界観やキャラ設定も緻密に練られており、その詳細に興味をもっているユーザーも多いと考えられる。Q&Aで意外な事実が発覚することも、ユーザーの楽しみの1つではなかろうか。
ちなみに、第1回では数千件以上の意見・質問が寄せられたとのこと。

▲お知らせ記事の冒頭。次回分の募集用フォームURLが記事の最初に載せられているので、ユーザーの目にとまりやすい。


▲本記事制作時点で最新の第9回では「その他」「バランスについて」のテーマについて、各8個のQ&Aが掲載されていた。「その他」ではキャラの食べ物の好き嫌いからゲームの仕様まで、様々な内容を扱っていた。

画像出典:「Identity V」公式サイト
原神 【開発チームQ&A】

Twitterを活用した意見募集「開発チームQ&A」を2020年10月から行っている。リリースが2020年9月であるため、早々にユーザーからの声に耳を傾け、対応していたようだ。
主な回答内容はゲームの仕様や不具合関連で、1回につき、おおむね4〜5個のQ&Aが掲載されている。
次回分の意見・質問はQ&Aが掲載されたツイートにリプライで記載する仕組みなので、ユーザーのアクションがTwitterのみで完結する点もポイントだ。
なお、確認できた限りでは最新の回答は2021年12月となっていた。


画像出典:Twitter
SINoALICE -シノアリス-【オンライン座談会】

「本作の今後の開発・運営をより良くすること」を目的として、ユーザーの代表者を集めて「Zoom」を使用した「オンライン座談会」を実施している。
代表者はゲーム内コンテンツ「コロシアム・シン」の、上位入賞経験のあるギルドから無作為に選ばれる仕組み。つまり、ベテランユーザーから改善案を集めようという企画だ。
第1回は2021年8月下旬、第2回は2022年3月上旬に行われ、本記事制作時点では第1回のみ公式サイトで内容を確認できた(第2回は募集要項に「内容を原則非公開とする」旨が記載)。
参加人数は第1回が18名(3名×6ギルド)、第2回が12名(2名×6ギルド)だった。第2回で人数が減った理由は、「より密にご意見を伺うため」とのこと。

▲第1回はYouTube動画も公開されている。時間は約1時間。
第1回の主な内容は、下記の通り(内容は要約)。
【テーマ1:コロシアム】
①マッチングや対戦相手の決め方を見直してほしい
②オートの仕様などを見直して、休みを作りやすくしてほしい
③グローバル大会の公平性
(開催時間や通信などで、日本ユーザーに不利にならないか。その対策は)
【テーマ2:ジョブ】
特定ジョブのステータスを上げて使いやすくしてほしい
【テーマ3:武器・アイテム】
①前衛から後衛に転職しやすいように、ガチャの排出物交換を可能にしてほしい
②特定カテゴリ武器のステータスを上げてほしい
③特定カテゴリ武器の強化段階を上げてほしい
また時間内に収まらなかったものの、上記以外にも「希少な強化素材の縫う右手経路を増やしてほしい」「装備所持枠を増やしてほしい」「討伐イベントが盛り上がらなかったので改修してほしい」など、様々な意見が寄せられ、有意義な座談会になったようだ。
下の写真は、第2回における参加方法などである(募集要項の一部) 。



▲参加者には、お礼として希少な強化素材が贈呈された。ちなみに第1回の際はゲーム内ミッションから座談会の動画を見ると、有料アイテム「魔晶石」100個(1,000円相当)をもらえた。
画像出典:YouTube、「SINoALICE –シノアリス-」ゲーム画面
ジャンプチ ヒーローズ ジャンプのパズルRPG【プチ友の声】

Twitterに「#プチ友の声」で寄せられたユーザーの意見・質問ツイートを拾いあげ、公式生放送で回答のうえ、公式ブログにも同じ内容を掲載している。
運営からの回答内容は基本的にゲームの仕様に関するものだが、ツイートの内容や時期に制限はない。そのため、ユーザーは常に自由な意見を寄せることができる。
試しに上記のハッシュタグで検索してみたところ、本記事制作時点から見て直近でも、複数のユーザーによる様々なツイートを確認できた。
ユーザーを対象にしたアンケート・意見募集は時期やテーマを区切って集中的に対応するやり方もあるが、本作のように随時対応を行っているパターンもあるようだ。

▲本記事制作時点で最新の回は、2022年3月だった。

画像出典:「ジャンプチ ヒーローズ」公式ブログ
パズル&ドラゴンズ 【10周年前夜祭Twitter2択アンケート】

10周年記念イベント前夜祭のタイミングで、Twitterの機能を使ってアンケートを行っていた。
内容は「交換所に追加される希石(※)はどちらがよいか」を2択で問うもので、第1弾が2022年1月18日から、以降は3〜4日おきに第2弾・第3弾が実施された。
投票数は第1弾が約18万、第2弾が約14万5千、第3弾が12万8千となっており、反響の大きさがうかがえる。
本作はモンスターの種類がとても多い。そのため、希少な強化素材のニーズの在り処をあらかじめアンケートによって確認し、ユーザーが10周年イベントでより満足できるように取り計らったのだと思われる。
このように、大きな節目の報酬やイベント内容などは、アンケートでユーザーに委ねてみてもよいかもしれない。
※:2018年5月から実装されたモンスター用の進化専用素材。実装前はモンスターを進化素材として使っていたが、その代わりになるアイテムとして登場した。

画像出典:Twitter
PUBGMOBILE【引退したユーザーへのアンケート】

スマートフォンゲームにおけるアンケートは、運営中のゲームが既存ユーザーに対して行うのが一般的だ。しかし本作は、あえて既にプレイしていないユーザーを対象としたアンケートを2022年4月に実施していた。
詳細は確認できなかったが、公式サイトによれば、それは「外部広告を活用して収集していた」とのこと。
結果の一部はお知らせのリンクから閲覧できるPDFで公開されており、「離脱理由」「離脱理由の詳細(自由回答)」「どのようなことがあれば復帰するか」について見られる。
運用においては、サービスの質を向上して既存ユーザーの満足度を高めることも重要だが、時にはこのように休眠ユーザーの声に耳を傾け、彼らの復帰の糸口を探ってみてはいかがだろうか。

画像出典:「PUBG MOBILE」公式サイト
コンテスト
Identity V【短編小説コンテスト】

本作と小説投稿サイト「魔法のiらんど」が共同で実施したコンテスト。
内容は「Identity V 第五人格の世界に迷い込んできた私」をテーマに、下限なし〜10,000文字程度で書かれた短編小説を募集するというものだった。
大賞(1作品)は2021年4月30日の「ニコニコネット超会議2021」内で行われた、高校生が対象のesports大会で発表・表彰され、公式グッズのブランケットとAmazonギフトコード3万円分(Eメールタイプ)が贈られた。
また小説を投稿したユーザーの中から抽選で3名に、参加賞として公式グッズのクリアファイルが当たった。
なお審査は「魔法のiらんど」編集部が担当したが、賞品はNetEaseからの提供となっていた。
「Identity V」は公式がガイドラインの範疇での二次創作を応援しており、本企画もその一環であると言える。小説の場合は、このように専門サイトとのコラボで行われる場合もあるようだ。

▲募集要項やルールなどは、特設サイトで確認できる(上のリンクから遷移可能)。
画像出典:「魔法のiらんど」公式サイト
グランサガ 【グランサガデザインコンテスト】

Twitterを活用し、キャラの衣装やスタンプといったクリエイティブを公募するコンテストを実施している(リンク先は本記事制作時点から見て、最新のコンテストの応募要項PDFが格納されたGoogle Drive)。
最優秀賞を獲得したユーザーには賞金が贈られ、さらに応募した作品がゲーム内に実装される。まさに「ユーザーと一緒にゲームを作る」の典型例とも言える施策だろう。
本コンテストは通称「デザグラ」といい、本記事制作時点では第3弾まで実施されていた。
募集内容は第1弾が特定キャラの衣装、第2弾がキャラ用の小物(アクセ)、第3弾がキャラスタンプだった。また公式によると第一弾には177件の応募があり、以降もTwitterで確認したところ、多数の応募があった。

▲「デザグラ」第3弾のスタンプコンテスト。最優秀賞は賞金10万円+スタンプ実装。

▲スタンプコンテストと同時に、自分のギルドを紹介するスナップ写真のコンテストも実施。本作はこのように、独自のTwitterキャンペーンに注力している。
画像出典:プレスリリース
原神 【イラスト募集コンテスト・旅の写真募集コンテスト】

Twitterを活用し、ユーザーが主にキャラを描くイラストコンテストや、フィールドの写真を撮る「旅の写真コンテスト」を実施している。
賞は「金賞」「銀賞」「銅賞」「ラッキー賞」の4種類があり、本作の運営チームが審査を行う。「ラッキー賞」には原神グッズ、それ以外にはガチャなどに使用するゲーム内通貨「原石」が贈られる。
ゲーム内外要素への影響は特にないが、ユーザーが投稿した作品には数万件のいいねが恒常的についており、よいプロモーションの一環になっていると予想される。
ちなみに本作はこれ以外にも「4コマ漫画コンテスト」など、賞つきの企画を実施している。

▲2022年6月のイラストコンテストにおける金賞の作品。1.2万件のRTと、7.6万件のいいねを獲得していた。

▲こちらは2022年5月の写真募集コンテストの金賞の作品。美しいオープンワールドの世界を存分に活用した企画だ。
画像出典:「原神」公式サイト
転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚 【#まおりゅう推し活コンテスト】

Twitterを活用した写真コンテストを実施している。
内容は「#まおりゅう推し活」をつけ、お題キャラの好きなシーン・表情・衣装を添付し、かつ好きなところを存分に語ってもらうというもの。
そして運営が審査を行い、運営賞に選ばれたユーザーには、お題キャラの声優サイン入り色紙が贈られる。なお、結果発表は基本的に公式生放送にて行われる。
本作のようにキャラの魅力が十分に確立されたタイトルにおいては、多くのユーザーに「推しキャラ」が存在すると思われる。
その魅力を熱く語ってもらい、キャラ・作品への愛情度を深めてもらいつつ、それを他のユーザーへ伝搬させることで、本作の認知度アップも狙っているのだろう。

画像出典:Twitter
ドラゴンクエストウォーク 【DQウォークフォトコンテスト】

Twitterを活用した写真コンテストを、1ヶ月に1回のペースで実施している。
ユーザーはゲームの案内役である「スラミチ」から出題されたテーマに沿って写真を撮影し、「#かいしんの一枚」「#DQウォークフォトコン」を付けてTwitterに投稿。
優秀作品に選ばれると、称号やオリジナルグッズなどをもらえるという流れだ。
基本的には街の風景や部屋などをバックに、AR機能で表示させたキャラやモンスターを載せる必要があり、本作ならではのテイストを加えたコンテストとなっている。
なお本記事制作時点では1年半以上続いている定番の施策となっており、入賞作品の中からフォトコン大賞を決める「DQウォーク フォトアワード」も開催されるなど、盛り上がりを見せているようだ。

▲基本的に月初〜月中までを応募期間とし、月末に結果を発表している。

▲毎回、前回の最優秀作品を作品例として掲載している。ユーザー側の様々な創意工夫が見られる、面白い企画だ。


▲賞品の一部。タイミングによっては、コラボで制作されたグッズがもらえることもあるようだ。

▲過去には、自慢の装備を撮影して投稿する「ベストドレッサーTwitterキャンペーン」も行われていた。
画像出典:「ドラゴンクエストウォーク」公式サイト
にゃんこ大戦争 【にゃんこデミー賞】

9周年半を記念し、Twitterを活用して行われた動画投稿企画。
公式Twitterをフォローし、「#にゃんこデミー賞」を付けて自慢のバトル動画を投稿すると、抽選で300名に特製デザインの「オリジナルネコ缶3缶セット(中身はサバの水煮)」が当たった。
さらに他のユーザーから注目を集めた動画を投稿した5名には、特賞として「金のにゃんこトロフィー」が授与された(「注目」は、おそらくいいね・RTが多かったツイートを指していると思われる)。
開催期間はゴールデンウィーク前の4月23日(土)から、明けの5月9日(月)までで、長期連休を意識したプロモーション施策だったと言えるだろう。
またこういったコンテストでは写真が投稿対象となることが多いため、動画を扱ったものは比較的珍しかった。



画像出典:「にゃんこ大戦争」公式サイト
プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat.初音ミク 【衣装デザイン・楽曲コンテスト】

ゲーム内に実装される衣装を募集するキャンペーンや楽曲コンテストなど、複数の企画を実施している。各企画は個別に行われており、主な特徴は下記の通り。
【衣装】
・毎回異なるテーマを出題
・ユーザーが「#プロセカ衣装デザイン」「#(テーマ)」を付け、Twitterに投稿
・採用作品はゲーム内に実装され、投稿者の名前がゲーム内クレジットに載る
さらにAmazonギフトコード3,000円分と、賞状をプレゼント
【楽曲】
・毎回異なるテーマを出題
・ユーザーがYouTubeまたはニコニコ動画に投稿
なお、タグに「#プロセカNEXT」を付け、さらに概要欄に
「第◯回プロセカNEXT応募楽曲」や連絡先(Twitter・メール)を記載する必要あり
・採用作品はゲーム内に実装され、投稿者の名前がゲーム内クレジットに載る
さらにAmazonギフトコード50,000円分と、賞状をプレゼント
本作はTwitterやYouTubeにおけるユーザーの反応率(いいね・RT・視聴数など)が特に高いタイトルの1つだが、公式からの情報発信にとどまらず、こうしたユーザーの投稿によっても盛り上がっていると考えられる。
ちなみに衣装デザインキャンペーンについては本作のリリース前(2019年11月)から継続的に行われており、運営が当初からユーザーのアイデアを積極的に取り入れる想定で動いていたことがうかがえる。



▲ゲーム内で行われるライブの際に、出演者にかける声援の募集も行っている。こちらも採用されるとゲーム内で使用され、さらに公式サイトのニュースに名前が載る。

▲ハーフアニバーサリーお祝いイラストの募集も。こちらは「応援作品」に選ばれるとリアル展覧会の会場に展示され、さらにチケットももらえる。本作は、ゲームを飛び出したコンテストも行っているのだ。
画像出典:「プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat.初音ミク」公式サイト
ヘブンバーンズレッド 【イラストコンテスト】

「pixiv」を介して実施されたイラストコンテスト。
キャラを自由に描く「ファンアート部門」と、SDイラスト(ちびキャラなど)を描く「デフォルメキャラクター部門」の2種類が用意され、ユーザーは各部門に1点以上の作品を投稿できた。
総額100万円以上の賞金やグッズセットが賞品として用意されていたなか、ユニークだったのは、副賞に「公式ファンアートブックへの掲載」があった点だ。
購入すれば手元に残る書籍への掲載は、ユーザーの思い出に長く残る企画だと言えよう。


▲各部門の最優秀賞受賞作品。その他の受賞作品も、サイト内に掲載されている。


▲ファンアートブックへの掲載を希望する場合は、データを規定値に合わせる必要があった。
画像出典:pixiv
人気投票
Identity V【衣装復刻投票】

過去に期間限定で販売された衣装を対象に人気投票を行い、復刻で再販売する企画を毎年実施している。
期間中にイベントページにログインすると、1アカウントにつき毎日5票まで投票が可能。
基本的には得票数上位8位までが復刻されるルールだが、一部例外で追加となる場合もある(詳細は後述の投票ルールを参照)。
復刻させたいアイテムが多く悩む場合は、このように投票形式でユーザーに委ねてみるのもよいかもしれない。
ちなみに本作の衣装はゲームプレイに影響を及ぼさないものの、世界観やキャラに愛着を持っているユーザーが多いことから、毎回多くの票が集まっているようだ。

▲復刻衣装の区分はショップで販売されたものと、真髄(ガチャ)で販売されたものの2種類に分かれる。得票数は、ショップの方が真髄よりも10倍ほど多かった。

▲本記事制作時点で最新の回(第4回)の投票ルール。投票期間は7日と、やや短めだ。「Ⅲ. 衣装復刻ルール」の「4」にある通り、条件次第では8種類以上の衣装が復刻される場合もある。
画像出典:「Identity V」公式サイト
FFBE幻影戦争 戦略RPG/シミュレーションゲーム 【キャラクター総選挙】

2020年5月(半周年)と2021年10月(2周年)のタイミングで、「キャラクター総選挙」を実施していた。各回の内容は、下記の通りである。
【2020年】
非ユニットキャラ(NPCなど)を対象にユーザー投票を募り、1位のキャラをプレイアブルユニット化
【2021年】
下記①〜③の3部門についてユーザー投票を募り、①で1位のキャラは2022年夏に新デザインでユニット化
①水着になって欲しいキャラクター部門
②隣の席に座って欲しいキャラクター部門
③上司になって欲しいキャラクター部門
どちらの回も「人気の高いキャラをユニット化する」という点で共通しており、ユーザーにそのニーズを問うための総選挙となっていた。
実施タイミングが半周年や2周年という大きな節目に限定されていたのは、やはり企画の準備から実装までに多くの手間やコストがかかるためだと考えられる。
一方で、ユーザーとしては推しキャラを担ぐ貴重な機会となるため、その分気合も入るというものだろう。
なお本記事制作時点では特設サイトは結果のみが掲載されているが、公式Twitterのお知らせ文を見る限り、期間中はその特設サイトにて投票を行う仕組みだったと思われる。


▲1回目は20位まで、2回目は部門ごとに10位までが公式サイトで発表されていた。




▲投票数2万ごとに、強化素材や売却用素材などのゲーム内アイテムを報酬として配布していた(左が1回目、右が2回目)。
画像出典:「FFBE幻影戦争 戦略RPG/シミュレーションゲーム」公式サイト
SINoALICE–シノアリス-【キャラクター人気投票】

毎年2月〜3月ごろにかけて、キャラクター人気投票を実施している。
回ごとに若干の違いはあるが、上位になったキャラには基本的に下記の対応がなされている。
・記念ジョブ(ゲーム内キャラ)制作
・非売品のオリジナルグッズ化
・アプリアイコンに登場
なお本記事制作時点で最新の第5回では1位のキャラに上記すべての対応がなされ、2位のキャラは記念ジョブの制作のみ行われた。

本企画で投票するには、ゲーム内のログインボーナス・ミッション・ガチャのおまけなどで投票券を集める必要がある(1枚で1票)。
また、総投票数による報酬も用意されている。第5回では10億票でスタンプ、30億票で特別な高難度コンテンツへの参加アイテムをもらえた。
一見かなり高いハードルに見えるが、Twitterで調べてみたところ(過去の回の話だが)いずれも30億票は軽く超えるほどの票が集まっており、多いときでは90億票以上が投じられたこともあるようだ。
同じくTwitterの情報によれば、どうしても推しを勝たせたい一部のユーザーが頑張っていたケースもあるらしく、コンテンツを1,000回以上周回して投票券を集めるなどしていた模様。
ユーザーが疲弊しないような線引きはある程度必要かもしれないが、このように投票の条件をゲーム内コンテンツと連動させ、プレイ促進を図る手段には一定の効果を期待できそうだ。



▲特設サイトには、エントリーしているキャラの意気込みや前回の順位も掲載。
画像出典:「SINoALICE –シノアリス-」公式サイト
作品募集
Identity V【2周年記念全世界祝福動画募集キャンペーン】

2周年を記念し、ユーザーからお祝いのメッセージを動画で募集する企画を実施していた。
動画の内容は大きく分けて、「ユーザー自身が2周年おめでとう!と言う」または「本作の思い出またはメッセージを語る」のどちらかで指定されていた。
ユーザーから寄せられた動画は運営によって3分ほどの動画となり、YouTubeに投稿された。運営とファンのコミュニケーションはもとより、ユーザー同士の繋がりも重視した本作ならではの取り組みだったと言えよう。



▲動画の最後には、多くの国と地域および言語のユーザーから動画が寄せられていたことに対する感謝も。本作がワールドワイドに愛されていることがうかがえた。ちなみに、動画の冒頭では本作のキャラの声優を務める田中理恵氏や、高木渉氏などからのメッセージもあった。
画像出典:「Identity V」公式サイト、YouTube
Knives Out【荒野ギャラリー】

「荒野ギャラリー」という独自のサイトを設け、その中でユーザーから寄せられたイラスト・コスプレ写真などを掲載している。
サイト内では参加しているイラストレーターとコスプレイヤーが一覧で掲載されており、本記事制作時点では前者を41名、後者を22名確認できた。
また、イラスト・コスプレ共に「コラボ」「バレンタイン」「クリスマス」「2周年」などテーマが分かれており、それぞれに複数の作品が投稿されている。
本作のジャンルがユーザー同士の対戦を主としたバトルロイヤルであることを鑑みれば、このようにユーザーを巻き込んだ創作活動を行っているのは、珍しいことだと言えるだろう。

▲トップページでは、可愛い女性キャラがお出迎えしてくれる。

▲「ワンパンマン」とのコラボイラストなども存在。
画像出典:「Knives Out」公式サイト
ブルーアーカイブ 【先生からの創作物を大募集】

Twitterを活用してユーザーからイラスト・映像作品・立体物などの作品を募集し、応募された中からランダムに選ばれたものを公式生放送で紹介していた。
賞品などはないが、作品が紹介されたユーザーはTwitter名、Twitterアカウントも紹介されるため、創作活動におけるファンが増える可能性があることがメリットとなる。
Yostarのタイトルはいずれもユーザーによる二次創作活動を(規約の範囲内で)推奨しており、この企画もその一環だと思われる。
本作然り、他のタイトル然り、リリースから数年が経過しても同社のタイトルが根強い人気を誇っているのは、こうした企画が定期的に行われていることも大きいのではなかろうか。

画像出典:「ブルーアーカイブ」公式サイト
その他
原神 【HoYoWiki】

「HoYoWiki」はHoYoverse(miHoYo)が2022年5月7日に公開した、公式の攻略情報サイトである。本記事制作時点では「原神」が掲載対象となっており、キャラ・装備・生物図鑑などを閲覧できる。
今後はユーザーの手による編集も可能になることが明かされているため、まさに「有志によって作られる攻略サイト」となるだろう。
一般的なスマートフォンゲームでは、特定企業の案件による攻略サイトが制作されることもあるが、このようにゲームの運営とユーザーが一丸となって作り上げてケースも、今後は徐々に出てくるのかもしれない。




▲例えばキャラ図鑑ではプロフィールをはじめ、レベルごとのパラメータ、イラストなど様々な項目を詳しく見られる。攻略のみならず、イラストを描くユーザーの資料などとしても重宝される、総合データベースとなりそうだ。
画像出典:HoYoWiki
総評
今回はゲーム内外の要素に影響するものも含め、ユーザー参加型の施策を調査した。
結果、複数のタイトルがユーザーとのコミュニケーションを図りつつ、よりゲームに彩りを添えるべく、多様な施策を展開していることがわかった。
特に「Identity V」「原神」「プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat.初音ミク」などは定期的に複数の施策を行っており、SNSなどにおけるユーザーの反応から、いずれも反響が大きいことがうかがえる。
企画の参考材料を探す場合、まずは上記タイトルの施策を詳しくチェックしてみるとよいだろう。
また本特集で施策を紹介したタイトルのジャンルはRPG・パズルRPG・アクションRPG・シミュレーションRPG・対戦アクション・リズムゲームなど、多岐にわたっている。
このことから、ユーザー参加型の施策は幅広いジャンルで実施が可能と考えられる。本特集が、その企画時の参考などに役立てば幸いだ。

▲eスポーツが盛んな「Knives Out」などでは、ユーザー主催の大会に対する支援を行っていることも。こうした取り組みもある種のユーザー参加型施策と言え、今後も徐々に広がっていくかもしれない。
画像出典:「Knives Out」公式サイト